シンメトリー

結婚指輪のエイトスター・ダイヤモンド。整然とした赤い姿の中にエイトスターが出てきます。光の作用で出るエイトスターそのものではなく、全体の姿である。そして他のダイヤモンドには出てこないものがあります。従来のダイヤモンドで注意すべき所は、立体的なダイヤモンドの面をひとつなぎの平面にして、その接点、がいかに美しいかに重点が置かれています。ー面一面をきれいに磨きながら、隣合わせになる面との接点にこそ重点があります。

したがって、鑑定機関が行なっている鑑定項目の中の「シンメトリー」も、実はダイヤモンドにある五八の面を平面にならして、その面と面の接点がいかにきれいかを観ているに過ぎないのである。つまり、ただ平面で接している部分だけが、揃っているか否かを観ているだけである。しかし、これでは全体の対称性を観たことにはならない。言うならば、「森を見ずに木だけを見ている」のが現在の鑑定のシンメトリーの考え方であり、磨き方なのであった。

これは日本ばかりでなく、世界中のカッター会社や鑑定機関も同じで、これこそシンメトリーの常識であり、これ以上のことを考える必要がなかったと言っていい。全体の森を見ずに木だけを見る平面シンメトリーも確かに大切な要素で、決しておろそかにできないが、しかし、エイトスター・カットのダイヤモンドを見ていると、どうしてもそれ、だけでは語り尽くせない何かを感じます。